記事の要点: ジュベルックHBは陥没したニキビ跡に対して、注入した分だけ高さを作るのではなく、真皮の回復を助けることで凹みの輪郭や影を目立ちにくくする施術です。 臨床研究では皮膚表面の凹凸や質感の改善が確認されていますが、凹みの形状によってはニードルRFやフラクショナルレーザー、サブシジョンなど他の施術との併用が検討されます。
ジュベルックHBは陥没したニキビ跡にどう作用するのか?
ジュベルックHBの主成分であるPN(ポリヌクレオチド、DNAを構成する小さな単位が長く連なった物質)は、フィラーのように一つの塊として残り、その体積分だけ凹みを持ち上げるものではありません。皮膚の真皮(コラーゲンなど表面を支える組織がある層)に働きかけ、回復を助ける環境づくりに関与すると考えられています。
ニキビの炎症が深く続くと、真皮のコラーゲンなど皮膚を支える組織が傷つき、炎症が落ち着く過程で十分に修復されないことがあります。この結果として皮膚表面が下に沈み込む陥没が生じるとされています。
この修復過程で重要な役割を担うのが線維芽細胞(コラーゲンを作り出す細胞)です。線維芽細胞が損傷部位に移動し、皮膚を支えるコラーゲンを産生・整えることで、浅い陥没の境界や影が目立ちにくくなる可能性があります。
つまり「ジュベルックHBが陥没を埋める」という表現は、注入した物質がそのまま高さを作るという意味ではなく、弱った真皮の回復を助けることで見た目の凹凸感を和らげるという意味合いに近いといえます。
臨床研究で陥没ニキビ跡はどの程度改善が確認されているのか?
萎縮性ニキビ跡(陥没型のニキビ跡)に対するPN系注射の臨床研究では、皮膚表面の凹凸や粗さを示す指標が施術後に低下したことが報告されています。数値の低下は、機器で測定した皮膚表面の溝や粗さが減り、以前より滑らかに見えるようになったことを意味します。
研究では最近5年間活動性ニキビがなかった女性20名が参加し、10名にPN系物質を、残り10名に生理食塩水を注入して比較しています。初回施術の3週間後に同じ処置を再度行い、2回目の施術から1ヶ月・3ヶ月後の変化を観察したところ、PN系物質を注入したグループでは指標の低下が確認されましたが、生理食塩水グループでは統計的に明確な変化は見られませんでした。
ただし、この研究結果は全ての陥没ニキビ跡が数ミリ単位で持ち上がったことを示すものではありません。測定されたのは皮膚表面の凹凸や質感であり、ニキビ跡の深さや皮下組織との癒着の程度そのものを直接測定したものではないため、施術の回数や個人差を判断する明確な基準として扱うのは難しい点に留意が必要です。
ジュベルックHBだけで陥没したニキビ跡は治療できるのか?
陥没したニキビ跡は改善までに時間がかかるだけでなく、凹みの形状によっては一つの施術だけでなく複数の施術を組み合わせることも検討されます。ジュベルックHBも同様で、単独で十分な変化が期待できる場合もあれば、他の施術との併用が望ましい場合もあります。
浅く緩やかな凹みであれば、真皮の回復や質感の改善を助けるジュベルックHBが選択肢になり得ますが、針で突いたように狭く深い凹みの場合は、ニードルRF(高周波を用いた施術)やフラクショナルレーザーとの併用がすすめられることがあります。
皮膚の下で組織が引っ張られているタイプの凹みでは、サブシジョン(癒着した組織を切離する処置)で引きつれを解消した後にジュベルックHBを注射することで、より効果を実感しやすくなる場合があります。
このように凹みの状態によって適した施術を組み合わせる必要があるため、まずは自身のニキビ跡の形状や深さを確認することが治療方針を決める上で重要です。
陥没ニキビ跡の治療を検討する際に確認すべきポイントは?
陥没したニキビ跡の治療では、製品名や注入量を先に決めるのではなく、凹みの形状や深さをまず確認することが重要です。浅い凹みか、狭く深い凹みか、皮下組織の引きつれがあるかによって、適した施術の組み合わせが変わってきます。
その上で、ジュベルックHBが担える部分と、ニードルRFやフラクショナルレーザー、サブシジョンなど他の施術が必要な部分を区別して治療計画を立てることが望ましいといえます。
効果や必要な回数には個人差があるため、施術前にカウンセリングで自身の皮膚状態を丁寧に確認しておくことが、納得のいく治療につながります。
よくある質問
ジュベルックHBの施術は痛みがありますか?
注射による施術のため部位によって痛みを感じる場合がありますが、麻酔クリームなどで負担を軽減することが可能です。痛みの感じ方には個人差があります。
ジュベルックHBは何回くらい受ける必要がありますか?
凹みの深さや形状、皮膚の状態によって必要な回数は異なります。カウンセリングで皮膚状態を確認した上で施術計画を相談することがすすめられます。
浅い凹みと深い凹みで治療方法は変わりますか?
浅く緩やかな凹みにはジュベルックHB単独での対応が検討される一方、狭く深い凹みや組織の引きつれがある場合はニードルRFやフラクショナルレーザー、サブシジョンとの併用が検討される場合があります。
ジュベルックHBの効果はどのくらいで実感できますか?
臨床研究では施術後1ヶ月、3ヶ月の時点で皮膚表面の凹凸や質感の変化が報告されていますが、効果の実感時期や程度には個人差があります。
ジュベルックHBだけでニキビ跡が完全に消えますか?
凹みの形状によっては単独施術で十分な変化が見られる場合もありますが、深さや構造によっては他の施術との併用が必要になることがあり、結果には個人差があります。